巨大MIDIキーボード 特設ページ

音ゲー×巨大MIDIキーボード

巨大MIDIキーボード???

 Keyboard Maestro Voyageを沢山の人に遊んでもらいたい。でもMIDIキーボードは鍵盤が小さくて押しづらく難しい。

「では、鍵盤を大きくすればいいのでは?」(は?)

 これは考えはしても誰もやらない、文字通り「巨大なMIDIキーボード」=「巨大MIDIキーボード」を作るまでの記録である。

※脚色してますが大体合ってます。

初号機

 巨大MIDIキーボードに必要なこと。それは第一に、鍵盤を巨大化させるということである。そこで、”大きな鍵盤”として私には馴染みのあるこのボタンを使用することとした。

 まずは筐体を作成し、そこへ25個(+3個)のボタンをはめ込み、さらに大量の配線を接続していく。仕上げにマイコンと呼ばれる小さなコンピューターにプログラムを書けば完成だ。
 こいつはKeyboard Maestroの専用コントローラーとして使用できるのはもちろん、”MIDI”キーボードであるため実際のシンセサイザーに接続して演奏も出来る優れものだ。”大きな鍵盤”を採用したことで、今までにないダイナミックでパワフルな演奏が可能となったのだ。

 詳しくは以下の動画を見てほしい。

初号機・一般公開

 ゲームとは、それを作り上げただけでなく、たくさんのプレイヤーに遊んでもらって初めて完成したものと言えよう。この”大きな鍵盤”を公開できる場を探すだけでも困難を要したが、「東京ゲームダンジョン」によりこれを実現することができた。

 アーケード筐体を目指し、モニターも42.5インチのものを採用した。プレイ環境にもこだわり、モニターに傾斜をつけるための専用スタンドも作成。また、音響にもこだわり、大型のスピーカーを設置した。実際に並べると圧巻である。

 このとき、SDは筐体を初めて見たわけだが、目をまん丸くさせていたことをよく覚えている。これはSDが実際にプレイした様子の動画であるが、随分と気に入ったようで結局、展示開始まで時間を忘れて遊んでいた。

進化―Mk.IIの制作

ホイール搭載

 初号機ではピッチベンドとモジュレーションをボタン操作で代用していたが、やはりホイール操作による演奏感への欲求は尽きなかった。ホイールの搭載に当たっては、今回は作成する難易度を考慮し、既存のMIDIキーボードに搭載のものを流用することとした。とはいえ、さすがにただぶった切るのも忍びないため、ジャンク品を使用した。

金属筐体の採用

 初号機の筐体は木製であったが、Mk.IIではアルミフレーム+アクリルパネルを採用。これにより、実際のアーケード筐体に引けを取らないデザイン性を獲得し、さらにはメンテナンス性も向上、トラブルへの柔軟かつ迅速な対応が可能となった。また、筐体内のスペースに余裕が出来たことから、後述の機能の搭載に寄与した。

鍵盤の発光機構の搭載

 ボタンを押す。音が出る。そして、ボタンが光る。ただそれだけなのだが、1997年に味わったこの感動を、私は未だ忘れることができない。最後、この「ボタンが光る」という部分が、初号機では筐体内のスペースの制約上成し得ることができなかった。

 …正直なところ、配線の量は2倍になるため面倒でやりたくなかった。しかし、鍵盤を光らせるということへの熱情はその程度では失われなかった。

「鍵盤はやはり光るべし。」

 この言葉を胸に、不眠不休の作業のもと、やっとの思いで鍵盤への発光機構の搭載を達成した。これら鍵盤の煌めきに高揚感を得られるのは、きっと私だけではないだろう。

音響システムの搭載

 筐体内に増えたスペースを利用して、スピーカーとヘッドホンの同時出力、かつ独立した音量制御を目的とした音響システムを搭載。セッティングの上での制約も減り、より様々な環境に対応することが可能となったのだ。

真の完成―それは、プレイヤーの”体験”

 以上の通り、巨大MIDIキーボードの製作は非常に困難を極めたものであったが、Keyboard Maestroとともに、巨大MIDIキーボードはこれからも進化を続けていく。

 そして、前述したように、たくさんのプレイヤーの体験が無ければ、巨大MIDIキーボードの真の完成は達成されないものなのである。

 今までにないダイナミックでパワフルな演奏感を体験すべく、皆様にはぜひ展示会に足を運んでもらいたいものだ。なお、最新情報はTwitter(現X)を参照されたい。

もちろん、巨大なMIDIキーボードでなくともKeyboard Maestro Voyageはあそべるので、気になったのであれば是非ともSteamからダウンロードをしていただきたい。